しずお農場について
羊肉へのこだわり
時々、特別稀少なサフォーク羊を日常の食卓へ
日頃、私たちが食べているジンギスカンを代表とする羊肉の99%はオーストラリアやニュージーランドや海外から輸入されているもの。
そして、その中でも、至高の品種に格付けされるサフォーク羊の国内産の流通量はわずか1%未満。通常市場には出回らず、高級フレンチやごく一部のジンギスカン専門店などで消費されています。
オンラインショップで食卓にお届けするサフォーク羊。
選りすぐりを取り揃えた中でも「羊肉ブロック」は、部位のセレクトからお楽しみいただけます。調理は、メニューも、厚さ、焼き加減も思う存分、ご自身のお好みで。
通常、カットするとどうしても外に漏れてしまう肉汁を一滴も逃すことなく、閉じ込める「羊肉ブロック」。
噛んだ瞬間に旨味が凝縮された肉汁が溢れ出します。
部位によっては、骨の周り、筋、骨髄に濃厚な旨味を持ち、加熱によってその全ての旨味が凝縮されて肉に滲み出します。食べた瞬間、口の中で花びらが開くような美味しさ。
羊肉ブロックは桁ちがい
最高の「ご馳走さま」をお届けします。
同じ品種であっても輸入サフォーク羊には決して追随を許さない、稀少な国内産サフォーク羊の美味しさには、しずお農場のれっきとした理由があります。
いつ、誰と、どう食べるか。迷う贅沢と楽しさと共に、メインディッシュの横に“しずお農場の美味しさの理由”もちゃんこく(小さく)添えて彩りにしてもらえたら幸せです。
目の前、ただ一人の「美味しい」まで選ばれる理由
北海道の中央にある旭川から、1時間程車を走らせると辿り着く人口1万8,000人の小さなまち。士別市。その小高い丘に私たちしずお農場はあります。
冬は一眸ただ白皚々に。寒さは時に氷点下30℃と厳しく、内陸特有の夏の暑さは、32℃を超える日も。
農場から見下ろすのんびりとした町並みに一際堂々と日本最北の大河、天塩川が滔滔と北へ。秋には命を繋ぎに秋味(鮭)やサクラマスが遡り、絶滅危惧種のイトウが悠々と泳ぐ限られた聖域です。
昇る朝日と沈む夕日をなだらかな丘から眺めながら、四季の移ろいと共に700頭のサフォーク羊は暮らしています。
1967年この士別では、英国サフォーク地方原産のサフォーク羊をオーストラリアから200頭を輸入。町の基幹産業の一端を目指し畜産を始めました。
サフォーク羊は、暑さや湿気に弱く、病原体への高い感受性を持ち、繁殖や育つ力もほかの羊に比べ強くありません。
そのため、育成には丁寧な管理が欠かせなく、手間とコストの採算を考えると羊畜家からは敬遠される品種。流通量が極限られ「幻の羊肉」と称される所以の一つです。
しずお農場の創業者、佐藤静男がサフォーク羊と出会ったのは平成16年。
ここ士別でも、他の町同様、人口減少と高齢化が進み、過疎化に向かう未来を容易に想像出来るまでになっていました。
先人たちが、士別の繁栄にと希望を持ち、育て続けてきたサフォーク羊も、後継者不足や、事業自体の厳しさから手放す家もありました。時代の重い緞帳に抗えずに。
羊のまちから羊が消えて行く
そんな折、町から「サフォーク羊を育てて欲しい」と頼まれ、地域のためになるなら。
と、しずお農場「サフォーク羊牧場」が誕生するきっかけになりました。
元々、建設業を営んでいた創業者佐藤は「従業員の安定した雇用を作りたい」と、建設業と並行して農業事業に着手。
その後2代目の今井は、トマトや食用ほおずきなどのこだわり野菜を農薬と化学肥料をその地域で使用する通常の半分以下で栽培する「特別栽培」や農薬を全く使用しない無農薬栽培をいち早く取り入れ、酵素の糠を原料にした有機肥料を使い、土づくりからこだわっていました。
今思うと、佐藤は既にこの頃から、食の安心安全が今後消費者に求められる時代がくると感じていたのだと思います。
当初11頭のサフォーク羊を譲り受けたましたが、羊はおろか、育てるのが難しいと言われるサフォーク羊についてのノウハウ等何一つ無く、優れた育成技術を持つ焼尻の農場にまで足を運び育成を教わるなどし、随分と奮闘したと聞いています。
現社長、山下卓巳はその頃、故郷士別を離れ本州の企業に就職。百貨店の物産展等を手掛け、食の仕事に従事する中、山下もまた、食の安心安全は欠かせないと日々感じていました。
山下がUターンで帰郷したのは、創業者が11頭のサフォーク羊と出会ったそのほんの数年後。42歳、しずお農場3代目。
その頃、しずお農場のサフォーク羊は、2代目今井の精力的な営業が功を奏し、次々と有名飲食店の料理人を魅了していました。
2010年横浜APECでは、日頃対峙する国同士の首脳が、しずお農場のサフォーク羊のメインディッシュを中心に、人間的な信頼関係を築く重要な食の役割を果たしましたし、全日空の国際線ファーストクラスの機内食にと求められ、その実績は更に多くの首都圏のレストランやホテルへ広がる加速となりました。
山下はその様子を俯瞰的に見て、ある思いを持ちはじめました。
数多くの飲食店に卸し、組織を大きくすることは経営には欠かせません。オートメーション化や、ともすれば育成以外の一部は外に委託してでも、事業拡大に注力することと、貴重なサフォーク羊の高い品質を保ったまま「お客様一人に本当に喜んで食べてもらうこと」とは、必ずしも一致しない。
サフォーク羊が元来持つ美味しさを最高の状態まで引き揚げる一番の技術は
「どれだけ沢山の手間ひまと時間をかけること」
それこそが、外国産との格の違い。
しずお農場の使命「サフォーク羊に優しく感謝を持ち育て、食の安全を守り続けること」を実直に果たすには、組織が見た目順調に大きくなることとは切り離して考えるべきだと。
取引先や社員、関わる皆に時間をかけてその思いを伝えた結果、心から共感する取引先だけが残りました。
価格は上がります。その上で、必ず高い品質のサフォーク肉を提供します。
料理人としずお農場の約束の交差。
士別には派手な観光スポットも、有名なレジャー施設もありません。かつて長い間、人の通り道だったこの町に、ぽつぽつと観光客が訪れるようになってきたのはついここ数年のこと。
「幻の羊肉が食べられると聞いて来ました」
譲らないものと、取り入れるこだわり幸せに生きるサフォーク羊
銀座や京都で、一人数万円のコース料理のメインデッシュとして提供されるしずお農場のサフォーク羊。
「本当は士別に訪れて欲しい。実際に来て、朝晩の寒暖差や、透き通る空気が、呼吸の度に身体を循環する心地よい感覚を感じて欲しい。風が吹く度、その季節にしか感じられない匂いがある。そこで、目の前の最高なサフォーク羊を食べて欲しい」
どれ程に高級なグランメゾンや、贅を尽くしたオーベルジュでも
「それだけは、絶対に提供出来ないから」
人が訪れるきっかけを作ることは、そんな思いからです。
白を基調にした重厚な2階建ての1階には、市街を眺めながら、サフォーク羊と農場で栽培された旬の野菜を楽しむファームレストラン「ペコラキッチン」
フレンチやイタリアンの領域を超えて、サフォーク羊のfood cultureを提供しています。
2階には、大きな天窓のファームイン「λ(ラムダ)」
東京ドーム56個分の広大な丘の一部は、夜には大きな焚火をたき、このまま降り注いで来ると錯覚する星空のキャンプ場「焚き火キャンプ場 士別 Pecora(ペコラ)」
農場にある施設全て
「士別の自然が自らをもって訪れた人を精一杯もてなす」空間です。
今、士別に足を運ぶ事が出来なくても、高級店に行かなくても、最高の品質のサフォーク羊を、私たちがお客様一人に直接届ける事は出来る。
時間と距離、季節までも超えて、美味しく食べてもらおう。いつかきっと士別に訪れてくれる。
このオンラインショップには、私たちのそんな思いを目一杯込めました。
士別の長い冬が明けるまで、羊舎では、毎日のように新しい命が生まれます。
出産は特に気が抜けず、24時間、従業員は目を離さず片時も離れられません。
輸入される外国産のサフォーク羊は、同じ品種であっても、しずお農場と育て方は全く異なります。
外国では、多くの頭数規模による為に放牧され、その土地の青草を食べ、自由に育ちます。コストはかかりませんが、この青草が羊肉独特の臭みとなり、放牧で筋肉が発達し、肉質は硬く筋も多くなります。
では、しずお農場ではどうだと思いますか?
身体の弱いサフォーク羊は、人の目が常に届き、温度や湿度、完全な衛生管理がされた羊舎で過ごし、天候を見ながら外で過ごす時間も与えます。
飼料は、大豆や小麦、とうもろこしやビートパルプをバランス良く配合した穀物飼料で、ビートが金色に輝く脂の甘みとなり、羊肉の臭さはありません。
外の厳しい環境に長い時間いないことで、無駄な筋肉がつかず柔らかい肉質です。
繊細なサフォーク羊にとって、ストレスは不要なもの
私たち人だって、日々ストレスに晒されているのは幸せでは無いですし、誰かに優しく支えてもらいたいと思います。
サフォーク羊が幸せに育つ環境は、私たち人が整えて、ストレスなく育ったサフォーク羊は間違いなく美味しいのです。
ジンギスカンの文化で、羊肉を食べ慣れている道民のお客さまでも、サフォーク羊を食べた瞬間「これほど迄に違うのか」と感激されています。
薫りは食欲をかき立て、脂は甘く、噛むほどに浸み出す肉汁の旨味を感じ、柔らかさと、肉を食べているという満足出来る歯ごたえのバランス。
機械に任せようとすれば、出来る事をあえてしないことも、膨大なコストのかかる最新冷凍技術も、安全で美味しさに繋がるとなれば取り入れます。
部位毎に異なる筋を丁寧に取るのは、人の手の技術。
旬を見極め屠畜したサフォーク羊は、CAS冷凍され保存する。細胞を壊さない凍結技術システムによって、解凍してもドリップが出ず、食感も色も変わらず限りなく生肉。
一番は、使いたくない防腐剤を使う必要がないという安心。
美味しさの為に、決して譲らないものと取り入れる幾つものこだわり。
誕生から顧客に届けるまで一貫する理由はそこにある
羊は、その肉や乳によって人の生命と心をも満たし、羊毛はセーターや、背広、布団やラグとなる。何千年も前にモンゴルの遊牧民が使いはじめたテント型の円形住居「パオ」は、木製の枠組みを羊毛のフェルトで覆った構造で、耐久性に優れ、持ち運びや設置が簡単で環境に優しく、海外からも注目されています。
人が生きるに必要な全てを羊は持ち、羊によって生かされている。
国内に限らず、世界的規模で複雑に変化する現代の状況においても
羊への感謝の気持ちを原動力に、これからも安心、安全を土台にした美味しさの追求を士別から挑戦し続けます。
食を通して、人と地域、社会をまもること。それは、私たちのずっと変わらないブランドです。